犬たちが安心してケアに参加できるように
犬と暮らしていると、歯磨き、爪切り、耳のお手入れ、投薬、動物病院での処置など、体に触れたりケアをしたりする場面がたくさんあります。
どれも健康を守るために必要なことですが、犬にとっては必ずしも「してほしいこと」とは限りません。
DOG JOURNEYでは、犬の行動を科学的に理解することと、アニマルウェルフェアを大切にしたトレーニングを提供できるよう、継続して学びを深めています。
その一環として、2026年にDolphin Boy AcademyでBASIC・ADVANCEDを受講し、それぞれ全8回の講義を修了しました。
学びはじめたきっかけ
受講をはじめた頃の私は、「もっとトレーニングの引き出しを増やしたい」と考えていました。
飼い主さまへお伝えしても思うように進まないとき、「他にもっといい方法があるのではないか」「自分が犬の行動を十分にみられていないのではないか」と感じることがあったからです。
BASICで学び直したのは、強化や弱化、消去、般化・弁別、脱感作など、犬のトレーニングの土台となる行動の原理です。
新しいテクニックを増やすというよりも、「この行動はなぜ起きているのか」「犬に行動を変えてもらう前に、環境を変えられないか」という視点を改めて考える時間になりました。


「できるかどうか」だけではなく、その過程を見る
ハズバンダリートレーニングでは、犬がケアに自ら参加できることを大切にします。
私自身、これまでのケアでは「爪を切れた」「歯を磨けた」という結果に意識が向きやすいことがありました。
しかし学びを重ねる中で、結果だけではなく、犬がどのようにその場に参加しているのか。不安や迷いのサインは出ていないか。人の動きや環境が、犬にとって分かりやすいものになっているか。という過程を見ることの大切さを、改めて感じています。
愛犬たちとの実践
ADVANCEDでは、学んだことを愛犬とのトレーニングに落とし込み、実際の動画を振り返りながら学んでいます。
エマとは、以前は薬の粉さえ口にすることが難しかったところから、「食べる」という行動そのものを少しずつ練習してきました。
ルイとは、チンレストやステップ、ごろんなど、ケアに自分から参加するための行動を練習しています。
現在は、それらを歯磨きや爪切り、体のチェックなどのケアへ少しずつつなげています。
練習をはじめた当初は、チンレストも一から教える段階でした。
その後、ルイがケガをして消毒が必要になったとき、これまで練習してきたチンレストを実際のケアに使う機会がありました。
嫌だと感じたときは一度離れ、こちらがケアを止める。
そして、もう一度できそうだと感じたときは、再び自分から戻ってくる。
その様子を見たとき、「練習してきてよかった」と強く感じました。


犬だけではなく、人と環境を見る
ADVANCEDを通して特に変わったと感じるのは、犬だけを見るのではなくなったことです。
うまくいかないときに、「この子はできない」「嫌いだから仕方ない」と考えるのではなく、自分はどこに立っていたか。どんな動きをしていたか。環境は犬にとって分かりやすかったか。今のステップは大きすぎなかったか。と、自分自身や環境も含めて考えるようになりました。
犬に正解を教えることだけではなく、犬が成功しやすい条件を整えることもトレーニングの大切な一部だと感じています。
修了しても、まだ学びの途中
Dolphin Boy AcademyのBASIC・ADVANCEDはそれぞれ全8回を修了し、修了証をいただきました。
ですが、ADVANCEDは現在も継続して受講しています。
実践してみると、新しい疑問が生まれます。
うまくいったこともあれば、思ったように進まないこともあります。
そのたびに犬の行動を振り返り、環境や自分の動きを見直し、また試してみる。
「分かった」と「実際にできる」の間には、たくさんの練習が必要なのだと感じています。
修了証は私にとって「学び終わった証」ではなく、ひとつの節目です。
これからも学び続けながら、愛犬たちとの暮らしはもちろん、DOG JOURNEYで出会う犬たちと飼い主さまにも、少しずつ還元していきたいと思っています。
犬に「我慢してもらう」だけではなく、できるだけ安心して参加できる方法を一緒に考えていく。
そのために、これからも専門家として学び続けていきます。
